WordPressの問い合わせフォームで長く使われてきたプラグイン「MW WP Form」で、ファイル添付機能の廃止が予告されました。

対象は [mwform_file](ファイルアップロード)と [mwform_image](画像アップロード)の2つで、バージョン5.2で削除されます。バージョン5.1.3以降を使っている場合、WordPressの管理画面に次の通知が表示されているはずです。

The [mwform_file] and [mwform_image] shortcodes will be removed in version 5.2 (planned for release within 2026).

5.2のリリースは2026年内を予定とされており、具体的な日付は公表されていません。廃止の理由についても、公式には説明が出ていません。

御社のサイトで「履歴書」「図面」「写真」「見積依頼書」などをフォームから受け取っている場合、この変更は業務に直接影響します。


1. 何が起きるのか

添付項目だけが、静かに動かなくなります

もっとも注意していただきたいのは、この変更がサイトの停止という形では現れないという点です。

プラグインを更新すると、フォームのページは今までどおり表示されます。入力もできますし、送信も完了します。添付ファイルだけが届かなくなります。

エラー画面が出ないため、社内で異変に気づくのは「送ったはずの資料が届いていない」とお客様から指摘を受けたときになりがちです。自動更新を有効にしているサイトでは、更新された日すら把握できていないケースが少なくありません。

背景にある、開発終了という前提

MW WP Formは、2023年9月に開発終了が公表されています。現在は別の会社が保守を引き継ぎ、必要最低限の脆弱性対応のみが継続されている状態です。新機能の追加や、WordPress本体の進化への追従は行われません。

事実として、2026年3月と4月のリリースはいずれもファイルアップロード処理に関する修正でした。その直後には、ファイル添付の項目があり、かつ問い合わせデータをデータベースに保存している構成を条件とする、認証不要の脆弱性が公表されています。

今回の廃止と、これらの経緯との関係は公式には示されていません。ただし、機能が削除されること自体はすでに決定事項です。

御社が該当するかどうかの確認

次の3点を確認してください。

  1. WordPressの管理画面 →「プラグイン」に MW WP Form があるか
  2. そのフォームに、ファイルまたは画像の添付項目があるか
  3. 管理画面に前述の英文通知が表示されていないか(対象のフォーム名も併記されます)

1つでも当てはまる場合、対応の期限は「2026年内」です。


2. 見落とされがちな、もう一つのリスク

フォームの移行を検討する際、あわせてご確認いただきたいのがこれまでに蓄積された問い合わせデータと添付ファイルです。

「念のため」で保存し続けた個人情報

MW WP Formには、受け付けた問い合わせをデータベースへ保存する機能があります。この設定は、バックアップの意味合いで有効にされていることが多く、そのまま何年も見返されずに蓄積されているのが実情です。

蓄積されているのは、お客様の氏名・連絡先・相談内容です。サイトが不正アクセスを受けた際に、最初に持ち出される情報でもあります。

改ざんやページの停止は目に見えるため気づけますが、データを読み取られただけの被害は、サイトに何の変化も起きないため気づけません。 防御策をいくら追加しても、この構造自体は変わりません。保有しなければ、漏洩しません。

添付ファイルの保存場所にご注意ください

見落とされやすいのが、本文よりも添付ファイルのほうです。

MW WP Formは、問い合わせデータの保存を有効にしている場合、送信されたファイルをWordPressのメディアライブラリへ登録します。 保存先は wp-content/uploads の年月フォルダで、これは通常サイトの画像を置いている、Web上から誰でも読み取れる領域です。

つまり、履歴書や見積書、身分証の画像などが、URLさえ分かればログイン不要で開ける状態で置かれている可能性があります。逆に、保存設定を有効にしていなければ、ファイルは管理者宛メールへの添付のみとなり、サイト上には残りません。

他の主要プラグインは、この点でより保守的な設計になっています。

プラグイン 添付ファイルの保存場所 送信後の扱い
MW WP Form メディアライブラリ(公開領域) 残り続ける ※保存設定が有効な場合
Contact Form 7 一時ディレクトリ(.htaccessで保護) メール送信後に削除
Snow Monkey Forms 利用者ごとの一時ディレクトリ 短時間で自動的に削除

Contact Form 7とSnow Monkey Formsは、いずれも**「サーバー上に残さない」ことが標準の動作**です。MW WP Formの「保存できる」という利点は、同時に保管場所の課題を抱えていた、と言い換えることもできます。


3. 移行先プラグインの選び方

MW WP Formが選ばれてきた理由は、「送信前の確認画面」「ファイル添付」「データベース保存」の3つを、無料で同時に備えていたことにあります。現在、この3つを無償で満たすプラグインはありません。

したがって、3つのうち何が本当に必要かを決めることが、移行先選定の出発点になります。

プラグイン 確認画面 ファイル添付 データ保存
Snow Monkey Forms あり あり なし(仕様)
Contact Form 7 + Flamingo 標準では非対応 あり 本文のみ保存
有料フォーム製品 あり あり あり

Snow Monkey Forms

MW WP Formと同じ開発者による、ブロックエディター専用のプラグインです。確認画面を設定で有効にできます。添付ファイルにも対応しており、確認画面にはファイル名のみが表示され、実体はメールに添付されて届きます。送信データの保存機能は、意図的に搭載されていません。

Contact Form 7 + Flamingo

Contact Form 7に、同じ開発者が提供する「Flamingo」を組み合わせると、送信内容を管理画面に一覧・検索できるようになります。ただし保存されるのは本文のみで、添付ファイルは保存されません。 確認画面は標準では用意されておらず、別途アドオンでの対応が必要です。

3つとも必要な場合

確認画面・添付・保存のすべてが業務上必須であれば、有料のフォーム製品へ移行するのが最短です。その場合も、保存期間の設計をあわせて行うことをおすすめします。


4. 移行の進め方

弊社にご依頼いただいた場合の標準的な流れです。自社でご対応される際の順序としても、そのままお使いいただけます。

STEP 1|現状調査(1〜2営業日)

サイト内のフォームをすべて洗い出し、使用中の項目、添付の有無、保存設定、カスタマイズの内容を確認します。あわせて、データベースに蓄積された問い合わせ件数と、メディアライブラリに残っている添付ファイルの状況も調査します。

STEP 2|移行先の決定

前章の3項目をもとに、移行先を決定します。この段階で、確認画面や自動返信メールの仕様も確定させます。

STEP 3|テスト環境での構築と検証

本番サイトには手を入れず、検証環境でフォームを再構築します。入力から確認画面、送信、管理者宛メール、自動返信メールの受信までを一通り検証します。迷惑メール判定の有無もここで確認します。

STEP 4|本番切り替え

検証済みの設定を本番へ反映し、旧フォームを停止します。切り替え後にも、実際の送信テストを行います。

STEP 5|旧データの棚卸しと削除

蓄積された問い合わせデータをCSVへ書き出し、必要な範囲のみを保管します。メディアライブラリに残った添付ファイルを特定し、不要なものを削除します。移行作業の中で、もっとも見落とされやすく、もっとも重要な工程です。

期間の目安

フォームが1〜2本、カスタマイズが軽微な場合は、調査から切り替えまでおおむね1〜2週間が目安です。フォーム数が多い場合や、外部システムとの連携がある場合は、調査結果をもとに個別にご案内します。


5. よくあるご質問

Q. 5.2はいつリリースされますか。

A. 2026年内の予定と告知されていますが、具体的な日付は公表されていません。時期を待つのではなく、余裕のあるうちにご対応いただくことをおすすめします。

Q. プラグインを更新しなければ、当面は問題ありませんか。

A. 添付機能は維持されますが、根本的な解決にはなりません。MW WP Formは開発が終了しており、更新を止めることは新たな脆弱性が公表されても修正を適用しないという選択になります。過去には認証不要で悪用可能な脆弱性も報告されています。

Q. これまでの問い合わせデータは、新しいフォームへ引き継げますか。

A. プラグイン間でそのまま移行することはできません。CSVへ書き出して保管する形になります。この機会に、保管が必要な範囲を見直すことをおすすめします。

Q. 添付ファイルがどこにあるか分かりません。

A. 保存設定が有効な場合、メディアライブラリに他の画像と混在して保存されています。調査工程で対象を特定し、一覧としてご提出します。

Q. 事前に準備するものはありますか。

A. WordPressの管理者権限と、サーバーの管理画面情報をご用意ください。作業前には必ずバックアップを取得します。

Q. 費用はどのくらいかかりますか。

A. フォームの本数、カスタマイズの度合い、データ整理の範囲によって変動しますので、調査結果をもとにお見積りいたします。まずは現状のご確認だけでも承ります。


6. MW WP Formからの移行と、問い合わせデータの整理を承ります

QUANTS DESIGNでは、今回の廃止に対応するため、次のご支援を行っています。

  • MW WP Formから他プラグインへの移行代行 確認画面、自動返信メール、条件分岐などの既存仕様を確認したうえで、移行先を選定し、検証環境での動作確認を経て切り替えます。
  • 蓄積された問い合わせデータと添付ファイルの棚卸し データベースとメディアライブラリの両方を調査し、保管が必要な範囲を切り分けたうえで、不要なデータを安全に削除します。
  • 問い合わせデータを期限付きで自動削除するプラグインの提供 業務上どうしても保存が必要な場合に向けて、一定期間を過ぎた問い合わせデータを自動的に削除する仕組みをご用意しています。「保存はするが、貯め続けない」運用を実現します。

「自社のフォームが該当するか分からない」「管理画面に英語の通知が出ているが内容が分からない」といった段階でも構いません。現状の確認からご相談を承ります。

ご相談はお問い合わせフォーム、またはサービス詳細はWordPressサイト管理代行・引き継ぎWordPress制作のページをご覧ください。

まとめ

今回の変更で重要な点は、次の3つです。

  1. 期限が定まりました。 開発終了後も動作していた機能に、2026年内という削除予定が示されました。
  2. 障害として現れません。 サイトは正常に表示され、添付ファイルだけが届かなくなります。
  3. 移行は、データを減らす好機です。 長年蓄積された個人情報と添付ファイルを整理できる、数少ないタイミングです。

フォームは、企業サイトでお客様の情報をお預かりする窓口です。預かる量を必要最小限にとどめることが、もっとも確実で、もっとも費用のかからないセキュリティ対策になります。


この記事は人間による下書きからAIのサポートを経て、最後に人間がチェックして投稿しております。